ノリの養殖

 幕張でのノリの養殖は、昭和十四年(1939年)に始まる。房総での始まりは、文政四年(1821年)君津市の小糸川河口で江戸のノリ仲介商人近江屋甚兵衛の試作からである。秋の彼岸ころにヒビ(木・竹・今は網)を立て、ノリの種子を付着させ、養分の高いところに移して育てる。このノリを手で摘む(今は機会で吸入する)。それをザルに入れて海水で洗う。次に刻んで、真水と混ぜて、ヨシの簀にすく(これは和紙をすくのにヒントを得たようだ)。これを裏干しして、乾くとノリを天日にあてる。一日干して、できあがる。
 幕張海岸は、淡水の流入が少ないので、ノリの質をよくするために約千メートル沖合の中瀬・大西・向瀬に常総堀の井戸を掘った。これは大成功で、貝類もたくさん発生した。真冬の早朝に舟でノリとりに行き、手で摘みとる仕事は、とても厳しいものであった。
参考文献「メッセの町は海だった・写真集/幕張の60年」
編 者:安藤操
発行所:株式会社千秋社


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