買い替えマニュアル


買い換えのための売却活動の流れ
フローチャート


仲介会社に売却したい物件の査定を依頼する
 スムーズに売却するには適正価格で売り出すのが得策です。そこで仲介会社に査定を依頼し、自宅の売却可能額を出してもらいます。
仲介会社では独自の査定マニュアルを活用したり、市況やエリア特性を加味しながら査定価格を提示してくれます。結果を聞く際には査定の根拠を詳しく説明してもらいましょう。高く査定してくれる会社より、納得のいく説明をしてくれる会社の方が信頼感があるといえます。
査定は無料ですし、媒介契約を結ぶ必要もありません。複数の会社に依頼して比較してみましょう。

不動産の売却にまつわる’価格’の流れ
売却の流れ

’売り’と’買い’どちらを先に進めた方が得?
 現在のように中古価格の先行きが不透明な場合は、手元に残るお金が確定した後に新居を買う“売り先行”のほうが、資金計画にも狂いが生じなくて安全です。そのほうが売りあせる必要もないので、ある程度納得のいく価格で売却できる可能性も出てきます。
 一方、自宅の明け渡し時期を気にせずに、新居をじっくり探せるのは“買い先行”ならではの魅力だといえます。ただしその場合、新居の取得日までに旧自宅が売れず、二重ローンを背負ってしまうパターンを避ける手立てはとっておきましょう。具体的には、以下に解説するような二つの方法が考えられます。
 まずは、購入する物件の売買契約書に“買い換え特約”を付記してもらうこと。文面としては“○年○月○日までに○○万円以上で手持ち物件が売れなければ、本契約を白紙撤回する”といった内容にするのが一般的です。これなら、たとえ購入をキャンセルしても、契約時に支払った手付金は全額戻りますし、違約金を支払う必要などもありません。
 ただしこの特約新築分譲で売り主が不動産会社のケースなら比較的OKですが、売り主が個人の場合(つまり中古物件を買う場合)には、承諾してもらうのは難しいようです。
 さてもうひとつの方法としては、一定期間内に自宅が売れなっかた場合、仲介会社に自宅を買い取ってもらう“買い取り保証制度”を利用するという手が考えられます。
 ただし物件によっては買い取ってもらえないケースもありますし、一部の仲介会社しか実施していないのも実情。さらに買い取り価格は査定価格の約80%と、大変シビアになってしまうなどの点があることを頭に入れておきましょう。
売り先行型 買い先行型
メリット  自宅の売却代金がハッキリするので、買い換えのための資金計画に狂いが生じにくい。売りあせる必要がないので、価格交渉などの面でもある程度有利に進められる。それに、たとえ買い換えを中断しても住む家は残る  希望の新居をじっくり探せる。また未完成の物件なら、代金支払いまでに余裕があり、購入契約後に売り出してもうまくいくケースが多い。売り主が分譲会社なら、買い換え特約や買い取り保証などもつけてもらいやすい
デメリット  売却が決まれば、買い主に物件を引き渡す日までに、買い換え物件を探さなければならない。希望の物件がなくても妥協せざるをえないケースや、購入物件が未完成で引き渡しまでに時間がかかる場合は仮住まいの必要も  買い換え特約や買い取り保証を付けられずに購入を先行させる場合、どうしても売りあせって、買い主に主導権を握られてしまう可能性がある。新居の取得日までに旧自宅が売れず、二重ローンを背負ってしまう恐れも

仲介会社はどこにする? 媒介契約はどれを選ぶ?
 仲介会社を探すポイントは大まかに3つあります。ひとつは、自分の分譲会社の仲介部門に依頼する方法。物件や顧客層を熟知している強みがあります。
 次に、買い換え物件の購入先に売却も依頼する方法。“売れなきゃ買えない”というこちらの事情が分かるので、危機感を持って対応してくれるでしょう。
 もうひとつは“売り物件募集中”の広告チラシを出している仲介会社に頼む方法。具体的に物件限定で探している人を紹介してくれるかもしれません。また、仲介会社の規模によってもそれぞれ特徴があります(表1参照)。
 いずれにしても複数の会社にまず査定してもらいたい、その中から対応がしっかりした会社を選びましょう。
 さて、売却を依頼する不動産会社が決まったら媒介契約の形態を選択します。媒介契約には3種類あります(表2参照)。
 買い先行の場合は、購入先の不動産会社と専属専任か専任媒介で契約を交わすケースが多いようです。一方、売り先行の場合なら、数社を競合させて、買い手を見つける窓口を広げる一般媒介も考えられます。
 仲介会社にしてみれば、他社に売却の成功報酬を取られる心配のない、専属専任や専任媒介に力を入れる傾向が見受けられるようです。
 各形態の説明をよく聞いて、自分に適したタイプを選択しましょう。
表1 会社の規模による特徴
大手
不動産
会社
 首都圏全体に店舗があり、独自のネットワークで広域の情報を収集。グループ内に分譲会社や建設会社、管理会社がある例が多い。
 系列会社が分譲する新築物件に買い換える場合、提携ローンや買い換え特約、買い取り保証などの得点を付けてくれる場合も。広域の買い換えを検討してくれる人にもオススメ。
中堅
不動産
会社
 特定沿線やエリアに集中して店舗を持っているのが特徴。一戸建てが得意だったり、特定エリアのマンションに強みを発揮したり、仲介する物件タイプに特色がある場合も。
 一定エリアの情報もいち早く豊富に集まるので、買い換え物件の希望エリアがある程度固まっている人には有利だといえよう。
地元
不動産
会社
 駅前などに店舗があり、地域内での売買を専門に行う。地域に密着しているのが特徴で、地元での信頼が厚い会社も少なくない。
 指定流通機構(※)の普及で、物件情報において大手にひけをとるとは限らない。むしろ、こまめにチラシをまくなど、フットワークの良い売却活動を期待できる面もある。
表2 3種類の媒介契約の違いを知ろう
専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
特徴 1社だけに売却を依頼する(買い先行で、買い換え特約や買い取り保証を付けてもらう場合などは、専属専任や専任になることが多い) 複数の仲介会社に依頼できる。媒介契約を結んだ会社を公開する“明示型”と明らかにしない“非明示型”の2通りがある
売り主の
義務

権利
・自分で買い主を見つけて売るのは不可
・媒介契約の期間中、他社を通じた取引や自己発見による取引をすると、違約金(仲介手数料相当額)が発生
・売り主の都合で契約解除すると、それまでの経費は売り主側の負担に
自分で買い主を見つけるのは可能。ただし媒介契約の期間中なら、仲介会社が売却活動にかけた費用を負担しなくてはいけない ・自分で買い主を見つけて、売買契約を結ぶこと(自己発見による取引)も可
・他社に重ねて媒介を依頼できるが、その社名を明らかにする(明示型の場合)
・依頼先の1社が、あるいは自分自身が買い手を見つけて成約した場合、それ以外の依頼先に通知する(明示型の場合)
仲介会社
の義務
・媒介契約後、専属専任なら5日以内、専任なら7日以内に指定流通機構(※)に売却物件を登録しなければならない
・売り主に対し、専属専任なら1週間に1度以上、専任なら2週間に1度以上の割合で進行状況を文書で報告
売却のための活動は行うが、特に義務や拘束はない
※建設省の進める不動産情報流通ネットワーク“レインズ”のこと。加盟店は、専任や専属専任で依頼された売却物件の概要を、このホストコンピューターに登録するとオンラインで物件情報がまたたくまに他社にもオープンにされるので、より早く、より多くの買い手を探すことができる

売却条件の交渉から売買契約・物件引き渡しまで
 購入希望者が現れたら、仲介会社を通して、価格や引渡時期などを調整してもらいます。価格については、自分の買い換え予算に影響が出ない範囲かどうかをチェックしましょう(下の計算式参照)。
 また、買い主が公庫・年金を利用したいなら、売却物件の代金支払いの前につなぎ融資で抵当権を抹消する必要があります。その場合、どちら側がその費用を負担するのかも明確にしておきましょう。
 引渡時期は、仮住まいを避けるためにも、新居への入居時期と合わせたいところ。価格交渉とともに慎重に調整してもらいましょう。
 さて、諸条件が成立したら、契約です。売買される建物に瑕疵(隠れたキズ)がある場合、引渡後に修理を求められることもあるので、物件の最終チェックをしましょう。併せて売却物件の付帯設備の中で、置いていくものと撤去するものとを明確にしておきます。これらは仲介会社が“物件状況確認書”として作成し、契約の添付資料となるので慎重に対処しましょう。
 なお契約や代金受け取り時には、さまざまな書類を提出し、多額のお金が出入りします。いつどんな書類が必要か、そして何のためのお金がいつまでにいくら必要なのか、一覧表にしてもらって準備しましょう。
新居の頭金として手元に残せばいい金額は?
売却価格−[住宅ローンの残高+売却・購入諸費用(※1)]+貯金など=新居の頭金(※2)

※1 売却諸費用は売却価格×3%〜4%。購入諸費用は新築なら物件価格の3%〜5%、中古なら物件価格の7%〜9%が目安
※2 頭金を2割用意するなら、新居の頭金×5=購入可能額
買い換えではつなぎ融資が発生しやすい
 買い換えで発生しやすい資金がらみのトラブルを救ってくれるのが“つなぎ融資”です。大別すると、“買い換えつなぎ”(購入代金の支払日までに、頭金として利用予定の売却代金が受け取れない場合に利用)と“抵当権抹消つなぎ”に分けられます。
 後者はさらに、@現在の公的融資の残債を清算し、新居購入のために公的融資の新たな借り入れ手続きをしたいとき(売り主側の都合)と、A買い主が公的融資を利用するので、代金支払い前に抵当権をはずしておく必要があるとき(買い主側の都合)などに分けられます。

自宅を売却しても住宅ローンが残ってしまうあなたは?
 売却後の収支決算(上の計算式)でマイナスになってしまう人のために、現在多くの金融機関が“買い換えローン”を用意しています。
 これは旧自宅売却後の残債部分と、新居購入のための資金を併せて借り入れできるローンです。一般の住宅ローンに比べて、審査が多少厳しくなる面はあります。しかし収入基準等をクリアしていて、返済能力に問題のない買い換え希望者にとっては、ありがたい制度のようです。
 中には提携不動産会社を通さないと、申し込めない仕組みのものもあります。利用したい場合は不動産会社に、“買い換えローンを取り扱っている金融機関と提携しているか”事前に確認してみましょう。
表3 各金融機関の買い換えローンの一例 (※情報は1999年10月6日現在のもの)
金融機関名 あさひ銀行 さくら銀行 住友銀行 東京三菱
銀行
富士銀行 東日本銀行 オリックス
信託銀行
東洋信託
銀行
年齢制限 満20歳以上満66歳未満、最終返済時満75歳未満 満30歳以上満65歳以下、完済時75歳以下 満20歳以上満70歳未満、最終返済時満75歳6ヶ月以下 満25歳以上満65歳未満、最終返済時70歳未満 満25歳以上満60歳以下、最終返済時75歳以下 満30歳以上満65歳以下、最終返済時75歳以下 満25歳以上55歳以下 満35歳以上満60歳以下、最終返済時75歳以下
年収制限 500万円以上 600万円以上 500万円以上 個別審査 500万円以上 500万円以上 個別審査 500万円以上
ローン遅滞 5年以上正常に返済 5年以上延滞なし 借入後5年以上、かつ延滞なし 現在借り入れのローンに延滞のない方 5年以上延滞なし 借入後5年以上、過去1年延滞なし 現在借り入れのローンに延滞のない方 5年以上延滞なし
勤続条件 3年以上 5年以上 特になし 特になし 3年以上 5年以上 5年以上 5年以上
返済率 25%以内 25%〜35% 25%以下 個別審査 年収に応じて25%〜40% 25%以内 35%以内 30%以内
融資限度額 5000万円以内で購入先物件の担保評価額に1000万円上乗せした額 600万円以上 50万円以上5000万円以下 5000万円以内かつ購入先物件の担保評価額の最大200%まで 1億円以内かつ購入先物件の200%以内 5000万円以内、かつ購入先物件の銀行評価額に1000万円上乗せした額 5500万円以内でかつ売却金額で不足する債務残額に購入代金を加算した金額の範囲内 6000万円以内でかつ購入先物件の120%以内
担保割れの範囲 最大1000万円 1000万円以内 購入物件の担保評価額の最大200%まで 上参照 2500万円以内 1000万円程度 購入価格の40%以内 所定の基準
公的資金との併用
(若干の制限がある)

(ただしその場合の限度額は担保評価額から先順位の公庫・年金の担保設定額を引いた金額の200%まで)

(ただしその場合の融資限度額は購入価格の25%まで)
提携不動産会社の制限
問い合わせ先 0120-
60-8156
0120-
506-390
最寄りの各支店・ローンプラザ 0120-
52-3939
0120-
223-041
最寄りの支店まで 03-3278
5204
03-3287
2211(代)


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