法律の落とし穴にご注意


無断で鍵付け変えると侵入罪に該当することも
 日頃行っている管理業務が、実は違法行為だった…。知らず知らずのうちに法律に反した行為を行っているオーナーは、実は少なくない。あなたの賃貸経営に違法行為はないだろうか。個々のケースを検証してみよう。

< 滞 納 >
 3か月以上続く滞納に頭を悩ませているのは埼玉県川越市のKオーナー。入居者の元を訪ねてみても、一向に返事がない。住み続けていることは確認済みなので、入居者が外出中に鍵をつけかえた。すると、中に入れないと困る、と入居者は根をあげた。そしてめでたく滞納していた賃料を払わせることができたという。

鍵のつけ替えは侵入罪適用される
 入居者に断りなくオーナーが無断で鍵を交換してしまった場合、鍵を開ける際に部屋に入ったとみなされる可能性がある。その場合、侵入罪が適用されることもある。それだけではない。「部屋の中に100万円保管していたのになくなってしまった」と訴えられても、部屋に入っているとみなされて無実を証明することは難しくなる。
 A法律事務所のA弁護士はこう語る。
 「勝手に鍵を交換した場合は、民事的にいえば賃貸借契約の違反にあたります。また、賃借人の占有物を不法に占有したとみなされ、占有妨害にも該当します」
 鍵の交換だけではない。ドアを取り外してしまった強者のオーナーもいる。
 「滞納の明け渡し裁判の時、」滞納していた入居者が『ドアがない』と言い出しました。聞いてみると、滞納に業を煮やしたオーナーがドアを取り払ってしまったとのこと。法廷でそんなことを言われたものですから、本当に驚きましたよ。」(T弁護士)



< 滞 納 >
 4か月間にわたって滞納し続けている入居者に対し、督促を続けているAオーナー。だが、部屋に電話しても、職場に電話しても入居者はつかまらない。そこでAオーナーが考えたのが勤務先にFAXを送り続ける作戦。紙ならば記録が残るからだ。これで賃料の回収ができるとAオーナーは自信を見せているが…。

暴言は侮辱罪とみなされる可能性も
 数か月も滞納された上に、だんまりを決め込まれて頭にくるオーナーは少なくない。だが、滞納の督促にあたっては、何点か注意しなければならない。まず督促する際には暴言を吐かないこと。暴言は侮辱罪とみなされる可能性がある。
 勤務先にファクスを送り続けることも違法行為になる、とT総合法律事務所(東京都千代田区)のA弁護士は話す。
 「滞納者の勤務先にファクスを送り続けることは、営業妨害に該当します。ファクスを送り続けることで、相手の会社のファクスは受信不可能になってしまいます。日常業務に支障をきたすため、該当する可能性があります。」
 その他、エントランスなどの共用部分で、入居者を名指しにして音声により支払いを催促するのも違法になる。



< 防犯カメラ > 
 ピッキングの被害が急増する中、オーナーもセキュリティー対策を迫られている。その一つとして注目されているのが防犯カメラ。エントランスやエレベーターに設置するケースが増えている。
 この防犯カメラで単身限定のマンションに同棲しているカップルを発見してしまったのは、東京都世田谷区在住のOオーナー。入居者に注意しようかどうか考えあぐねいているという。

目的外の利用はトラブルの元に
 「監視カメラの設置自体は法に触れるものではありませんが、防犯の目的以外に使用するのは問題があるのではないでしょうか。」
 こう指摘するのは、ことぶき法律事務所のB弁護士。
 「以前、女性と賃貸借契約を結んだのに、男性と同居していることに気づき、注意したところ非常にもめてしまったというケースがありました。オーナーが防犯カメラで見ていたためです。入居者の私生活を覗くような行為は、プライバシーの侵害になりかねません」
 このケースでは、結局訴訟にはいたらず、入居者が退去することとなった。
 一般的に、どこまでが違法行為なのかの線引きは難しいとB弁護士は話す。防犯カメラは、防犯や秩序維持から使用目的が離れてしまうと問題行為になる。入居者に対しては、「防犯カメラを設置しているので、入居者の生活の一部を見ることになるが、異議は唱えません」とひと言断りを入れておくと安心だという。
 専有部分が見えるアングルは問題になるかもしれない、と指摘するのはT弁護士。
 「専有部分、つまり居室内が見えるような場所に設置する場合は問題になることがあるかもしれません」
 防犯カメラ設置自体は違法行為ではないが、トラブルに巻き込まれやすいのも事実。設置場所をエレベーターやエントランスなどの共用部分に限定するなど、配慮が必要だ。



< ペット可物件 >
 所有する物件をペット可物件にすることにした神奈川県横浜市在住のSオーナー。管理会社ではペットを連れてきて入居審査を行うなど、慎重に入居者を選んでいるが、Sオーナーは入居後のトラブルが心配で仕方ない。そこで、しつけはきちんとできているのかを確認するために、引越前の入居者の生活ぶりをこっそり見に行った。

プライバシーの侵害になることも
 「これはおかしな行為だ」と話すのはT弁護士。「引っ越し前の入居者の私生活を無断でのぞくのは、迷惑防止条例に抵触するか、またはプライバシーの侵害になります」
 人のプライベートを勝手にのぞくのは言語道断だという。
 ペット可物件にするということは、契約書上でペットの飼育を許可していることになる。そうすると、ペットをどのように飼おうと入居者の自由になるのだ。しつけの程度までオーナーが口出しすることはできない、とT弁護士は指摘している。
 
(全国賃貸住宅新聞2004.7.19より抜粋)



 以上、数件の例を挙げてみましたが、いかがでしょう。意外に思われた方も多いのではないでしょうか。
 滞納の例では、被害者のはずのオーナーが、対応を誤ると逆に加害者になってしまう可能性があり、防犯カメラの例では、お客様のためによかれと思って設備投資をしたことが、お客様とのトラブルの元になってしまってはやらない方が良かったということになってしまいます。
 オーナーさん自身とお客様を守るため、やるからには最大限の効果を得たいものですが、落とし穴にも注意しなければいけません。不安や疑問を感じたときは、不動産取引のプロである私達にお気軽にご相談下さい。 

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