最新の犯罪傾向と対策商品

昨年の侵入盗犯罪認知件数は30万3698件で10年前の3倍増に

 カム送り解錠という新手の侵入手口が判明し、各鍵メーカーはその対応に追われている。ピッキングによる被害も相変わらず耳にする。さらには鍵の性能を無視して解錠するサムターン回しという手口もある。そんな中侵入盗による被害はますます増加していることが警察庁の調べで明らかとなった。その内容をリポートする。


ドロボウにとって住宅は狙い目!?
 平成13年における全国の侵入盗犯罪の認知件数は30万3698件。これは10年前の平成4年での件数に比べて3割の増加となっている。その内訳を見てみると戸建てが30%、マンションが23%、事務所が17%、店舗が14%となっている。
 賃貸住宅の経営者にとって見過ごせないのがマンションでの犯罪発生件数だ。平成13年は6万8841件になり平成4年に比べると実に2万8572件71%も増加しているという点だろう。
 戸建ては7万4476件でこれも1万4476件、19%の増加となっている。住宅が狙われるケースは多くなってきているのだ。
 それでは侵入盗はどこから入ってくるのだろうか。
 一般にガラスは狙われやすいことが知られているが、実はマンションなどの集合住宅ではドアから入ってくるのだ。6割のケースは鍵を破って侵入しているという。そのうち、約半分がピッキングによる解錠だという。昨年のマンションでの侵入盗のうち、約9000件がピッキング被害によるものだということになる。一方、戸建て住宅の場合は70%がガラスを破って侵入している。

折悪しく居合わせると
 たまたま侵入盗が狙ったときに住民や職員などが居合わせてしまうと更に凶悪な事態にもなりかねない。
 侵入強盗の発生件数は2335件で、やはり平成4年に比べると119%増加してしまっている。その発生場所の内訳を見てみると店舗が46%とダントツで多く、以下事務所が18%、マンションが394件で17%、戸建てが317件で14%となっている。
ここで物を盗られただけでなく、怪我などを負わせる身体犯も決して少なくない。平成4年の数字と比べてみると傷害事件の数は477件で95件の増加、強姦は34件増えて92件となり、致死・殺人も19件増えて58件発生している。
 注目したいのが致死・殺人と強姦については半数以上が住宅で発生しているという点だ。
 致死・殺人のうち、戸建てで発生しているのは17件、マンションでの発生は22件にも及ぶ。さらに強姦では戸建ては8件と割合は少ないが、マンションでは78件にものぼるのである。つまり、建物内に侵入して強姦に及ぶケースの8割はマンション内で発生しているのだ。

現状では具体的な打開策がない
 このように住宅にまつわる犯罪は増加しているがその対策はどうなっているのだろうか。警察庁によると昨年の検挙率(但し交通での業務上過失は除く)は19.8%。平成12年と比べると3.8ポイント悪化している。警察庁生活安全企画課の岩間益郎警視はいう。
 「なお、今年の上半期の検挙率は20.9%となり、回復の兆しを見せています」
 警察庁としては増加する侵入盗被害について検挙だけでなく、未然に防げるように個人ごとに対策を取るようにすすめている。

個人努力が求められる
 現状でははっきり言って個人オーナー、管理会社レベルで自己防衛をするしかない。
 鍵メーカーはここで急遽ピッキング対策商品、カム送り商品の販売を開始している。
 アルファ(神奈川県横浜市)では暗証番号で開く「edロック」を販売している。この商品はテンキーで番号を入力することによって施錠と解錠を行うため、鍵を知らぬ間に複製されたり、紛失したりする恐れがないことが特徴だ。もちろんピッキングの心配もない。入居者にとっては安全な住宅に住めることは付加価値になる。一方管理会社にとっては入退去に伴う鍵交換の手間がいらないメリットがある。暗証番号はすぐに変えられるため。入居者が変わるときに番号を新たに入力しておけばいいのだ。

建物全体を見てセキュリティ対策を
 この世の中に絶対と言うことはありません。よくお客様からの問いあわせにそう答えています。カム送りを防ぐことができたとしても、破壊しようと思えば出来ないものなど存在しないのです。しかし、時間をかけさせれば、その分被害に遭う確率も減ります。
 ただ、ドアの鍵にばかり気を取られることは禁物でしょう。ドアが駄目ならばベランダや窓など、侵入するための経路はいろいろあるからです。
 建物全体でまんべんなく防犯対策を講じておく必要があると思います。
(全国賃貸住宅新聞2002.10.21より抜粋)



◆重要犯罪・重要窃盗犯 認知・検挙数・検挙人員 増減比較◆
重要犯罪総数   侵入盗 (重要窃盗犯の内)
認 知 件 数 認 知 件 数
地 域 平成14年
1〜10月
平成13年
1〜10月
増  減 地 域 平成14年
1〜10月
平成13年
1〜10月
増  減
件 数 増減率 件 数 増減率
全 国 17,925 17,512 413 2.4 全 国 277,980 246,987 31,083 12.6
関 東 5,564 57,07 -143 -2.5 関 東 92,566 78,454 14,112 18
千葉県 1,011 1,262 -251 -19.9 千葉県 18,430 16,206 2,224 13.7
検 挙 件 数 検 挙 件 数
地 域 平成14年
1〜10月
平成13年
1〜10月
増  減 地 域 平成14年
1〜10月
平成13年
1〜10月
増  減
件 数 増減率 件 数 増減率
全 国 8,983 9,077 -94 -1 全 国 75,546 68,989 6,557 9.5
関 東 2,580 2,762 -182 -6.6 関 東 21,681 20,708 973 4.7
千葉県 492 536 -44 -8.2 千葉県 5,796 4,077 1,719 42.2
検 挙 人 員 検 挙 人 員
地 域 平成14年
1〜10月
平成13年
1〜10月
増  減 地 域 平成14年
1〜10月
平成13年
1〜10月
増  減
件 数 増減率 件 数 増減率
全 国 8,184 7,999 185 2.3 全 国 10,962 10,797 165 1.5
関 東 2,268 2,295 -27 -1.2 関 東 2,682 2,391 291 12.2
千葉県 420 420 0 0 千葉県 435 432 3 0.7
検  挙  率 検  挙  率
地 域 平成14年
1〜10月
平成13年
1〜10月
増  減
ポイント
地 域 平成14年
1〜10月
平成13年
1〜10月
増  減
ポイント
全 国 50.1 51.8 -1.7 全 国 27.2 27.9 -0.7
関 東 46.4 48.4 -2 関 東 23.4 26.4 -3
千葉県 48.7 42.5 6.2 千葉県 31.4 25.2 6.2
※重要犯罪とは、殺人、強盗、放火、強姦、略取誘拐及び強制わいせつをいう。?
※重要窃盗犯とは、侵入盗、自動車盗、ひったくり及びすりをいう。(警察庁発表資料より)



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