中古物件再生リフォーム


 「駅から遠いから」、「古い木造アパートだから」−。空室が続いた時、こう諦めていないだろうか。他には築40年でも満室になっている物件もあるのに−。悪条件はリフォーム次第で克服は可能なのである。ここでは、リフォームによってハンディを乗り越えた事例を紹介する。今後のアパート経営に役立ててもらいたい。

風呂無しの部屋を隣室とドッキング
 築20年、入居率が80%近くまで落ち込んだ物件が、部屋と部屋の間の壁を取り壊し、2部屋を1部屋にするという大胆なリフォームで満室の人気物件に生まれ変わった。
 「同物件は、もともと風呂無しの1DK物件でした。途中一部の部屋に風呂をつけたため、風呂無しの部屋と風呂付きの部屋が交互に並ぶという奇妙な間取となってしまいました。」と同物件を仲介したS社(東京都台東区)の担当者は語る。
 同物件、ルミエール日暮里は、駅から8分と比較的近く、20uで7万円の1DK、風呂無しタイプは4万円、計28戸の木造のアパート。4〜5年前から空室が目立ち始め、全28戸中6戸が空きの状態だったという。
 「空いていたのは最初ほとんど風呂無しの部屋でしたが、そのうち風呂ありの部屋も3カ月空きが出るなど、全体的に落ち込んだのです。そこで、リフォームをすることになったのですが、風呂無しの部屋は無理矢理風呂をつけるより、風呂ありの部屋とセットにした法がよいと考えたようです」(同氏)
 一部屋50万円かけて壁を壊し、クロスを張替え、和室をオールフローリング化。これによって16畳の大きなリビングが誕生した。
 家賃は8万円。今後の建替えのことも考え、1年間の定期借家となったが、若いカップルが一年間限定の”お試し期間”として入居希望するケースが増え、わずか2週間で決まってしまった。

競売物件を格安でリフォーム
 築29年、9割が空いていたオフィスビルが、3割の高利回り物件となったのが「サンシャイン取手」だ。
 千葉県松戸市にある10階建てのこのビルは2年前の暮れ、競売に出されていた。
 「駅から徒歩5分以内と近かったのですが入札価格は2000万円。しかも誰も手を付けませんでした」
 当時のことをJ社(埼玉県取手市)の同社長はこのように語る。というのも、いわゆる”その筋”の人が所有する物件だったため、怖がって誰も手を出さなかったのだ。入居しているのは「組」関係の事務所と風俗店のみ。10階建ての全フロアの窓は黒のビニール袋でふさがれていたという。
 「通りに面した窓が真っ黒ですから見るからにいわく付きだという雰囲気で誰も近づきませんでしたしね。」(同氏)
 問題はあったがリフォームすれば生き返ると考えた同氏は投資家に提案し、競売の代行を行った。2005万円で落札し、テナントを約100万円で立ち退かせることに成功。その後、オールリフォームした。まず外壁を全て明るいクリーム色で塗り直した。室内は1フロア2戸のオフィス用だったのを1フロア8戸の単身者用1Kに変更した。水回りの配管を通し、床は全てフローリングにした。全費用は3000万円になった。
 2カ月をかけて施工したが工事開始の1カ月後、1部屋だけ先につくってもらいモデルルームとして公開した。ここに内見者を案内して募集をしたところ、8月の竣工前に全室成約したという。
 できた部屋は30uの1DKという、なかなか市場にはない広めのタイプになったことも人気を呼んだ。
 「普通だったら2DKくらいの広さの部屋に相場より安い値段で住めるのですから人気が出て当然ですね。エアコン工事が入居に間に合わない程早く決まりました」
 賃料は4万3000円〜6万円、1カ月の賃料収入は全30戸で173万円。単純利回りは35%に達しているという。

アイデアで悪条件克服
 駅からバス10分、近くにはコンビニなど何もない。空室に苦しむ築13年の物件を、わずか100万円のリフォームで即満室にしたのが、N社(神奈川県横須賀市)だ。入居率が50%と落ち込み、8カ月も入居者が決まらない状態であった。同社社長はこう語る。
 「2階建て4部屋の2DKの物件だったのですが、駅から遠い上に、山の上にあり、若い人には敬遠されていました。オーナーも『あまり資金を使いたくない』ということで、アイデアで勝負する必要があったのです」
 まず、もともと、和室6畳、洋室6畳、DK6畳だったものを、洋間とでの仕切を取り壊し、1LDKにした。和室を変えなかったのは、畳をフローリングにするとコストがかかりすぎるためだ、これだけならさほど珍しくはないが、特徴的なのは、リフォーム前の状態の時に入居希望者に部屋内を見せ、「自由に間取り、クロスの色を決めて下さい」と選ばせたことだ。
 「どうせリフォームするのであれば、こちらから押しつけるのではなく、選んでもらったほうが、入居の可能性は高くなりますからね」(同社長)
 加えて、7万5000円だった家賃を2年間限定で、6万8000円に下げた。1Rと違い、ファミリータイプの部屋は、2年間での退去は少ない、そう感じていたからだという。
 「現に当社で管理する1DK以上の物件では3年以上住む方がほとんどですから」
 この2つのアイデアが功を奏し、わずか2週間で満室になってしまった。
 「1組は若いカップル、もう1人も若い女性の方でした。当社の社員と一緒に間取りやクロスの色をあれこれ選んで楽しそうでした」
 コストが安く済んだ上に、同物件は既に償却が終わっているため、1年で資金を回収できたという。

内見客の9割が契約
 全37戸中9戸が空室という状況から、リフォーム後、募集を開始してから1カ月で満室となったのが千葉県千葉市にある「サンアベニューしみず」だ。
 同物件は京葉線蘇我駅から徒歩5分。近隣には銀行やスーパーがあるにもかかわらず空室が9部屋もあったのは内装が古く、汚かったためだ。
 「大掃除は定期的にしていましたがフロアの床材が古く、フローリングの床のようにはいきませんでした」と物件を管理するS社(千葉県千葉市)の同社長は語る。
 そこで同氏はオーナーにリフォームをすることを提案。一部だけ改装してモデルルームとした。
 「コスト的にはオーナーの負担で」17万円から18万円かかりました。客付けをよくするには、顧客に内部を見てもらうしかない。しかしオーナーとしても、リフォームしても入居者が決まらなかった場合のリスクも負いたくない。そこで、空室の1部屋をリフォームし、モデルルームとして解放し、顧客の反応を見ようと考えたのです」(同氏)
 室内のクロスを張替え、カーテンも明るい緑色を取り付けた。すると、案内した顧客の9割以上が入居を決意。わずか1カ月で満室になったのだという。
 たとえ立地、築年数など、条件が悪くとも、リフォームと提案力次第で克服は可能なのである。
(全国賃貸住宅新聞2002.1.7より抜粋)



 以前より、リフォーム術に関し、ご紹介しておりますが、やはりお客様より「もし、この和室が洋室なら!」「もう少しキッチンが広ければ!」等、多数声が寄せられています。
 新たに手を掛けるリフォームも提案の一つですが、現在空室でこれからリフォームをしたいと考えているお部屋や今後、入居の入れ替え時、退室等予定があるお部屋等、従来のリフォームに一工夫加えてみては如何でしょうか。
 空室対策の一つとして、お客様の声を取り入れたリフォームを今後も提案していきたいと思います。
 又、オーナー様より「こんなプランはどうだろうか」というお勧めプランがございましたら、是非、ご紹介下さいませ。


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