誰でも分かるペット可物件ノウハウ

入居率アップのために付加価値としてPR

 ペットと住める物件のニーズが年々高まりつつある。アロマテラピーやヒーリングなど「いやし」に注目が集まるなか、動物を飼うことでやすらぎを求める人が増えてきたのだ。それに対応してペット可物件も次々と市場に出てきた。

築29年でも賃料1割高で満室に成功
築年数29年、1棟8戸の「T・F・ハイツ」はペット可にすることで満室に成功した物件だ。もともとこの物件はオーナーであるT管理(東京都中央区)が東京電力の社宅用に貸していた。しかし昨年、社員寮の整理が行われ、借り上げ契約が解除になり物件を返されることになった。場所は神奈川県横浜市で最寄りのJR磯子駅からバス8分、徒歩7分という立地。どう考えてもそのままでは集客は難しい。建て直すことも検討されたが、それこそ何億円もの費用がかかってしまう。数千万円のコストで、しかも入居が途切れない物件をつくる方法を、と検討を重ねた結果、選ばれたのがペット共生型だった。
 外装、内装を含めて合計4000万円をかけて今年春に施工。2DKの団地型の間取りを1LDKに変更し、ペット対応のキズのつきにくいフローリングを敷き、クロスも防汚性能の高いものを導入した。
 また、屋外には散歩の後に使える足洗い場を設置した。これらはペット共生住宅のコンサルティングをしているB社(東京都港区)と提携して行ったものだ。
 今年4月に近隣の不動産会社にビラを配ったところ5月に満室になり、今でも問い合わせがあるという。
 「普通にリフォームをしただけではおそらく貸せても7万3000円がせいぜいです。しかしペット可にしたおかげで1割高い8万円の賃料で満室稼働中です。」(同社課長)
 ほかにもペット可にしたために高い入居率を維持しているケースがある。
 「ほかの物件とはやはり入居率が違います。間取りや賃料が同じタイプの物件があった場合、決まりやすいのはペット可の方ですね」
 こう語るのは、A不動産(東京都品川区)同社長だ。現在約45戸のペット可物件を扱っているが、入居率は100%近くを保っている。始めたきっかけはペット禁止の管理物件で無断飼育をしている人が驚くほど多かったことだという。
 「どうせ隠れて飼われてしまうくらいなら許可して付加価値にした方がいいと考えました」(同氏)
 サブリース物件を対象として始め、今までトラブルもなく高稼働率を維持しているという。

東京都調査では約8割の人が賛成
 このような動物と一緒に暮らせる住宅のニーズは高まりつつある。総務省(現・内閣府)が2000年9月に発表した「動物愛護に関する世論調査」によると、全国のペット飼育者は36.7%に達し、この数値は年々微量ながら増え続けている。
 また東京都の調査でもその傾向は明らかだ。東京都生活文化局消費生活部流通対策課が2001年4月に発表した「12年度第5回都政モニターアンケート〜ペットの飼育について」によると、現在ペットを飼っている人は500人のモニターの内23%に達した。さらに今飼っていない残り77%の人でも、約3分の1が「将来、犬や猫を飼いたい」という希望を持っていると答えた。
 「集合住宅におけるペットの飼育について」の項目では「自由に飼っていい」という人が4.6%、「条件付きであれば飼ってもよい」という人が74.3%になり、約8割の人が肯定的な意見を持っていることが分かった。それに対し現実のペット可物件数はここ数年で多くなったもののニーズに対し、まだまだ充分とは言えない。
 その理由がトラブルが起きることへの不安にある。
 動物を飼うことの大きなリスクはキズと臭いだ。爪とぎや犬の噛みぐせなどの習性は放っておいたら物件を傷める原因となる。これを解決するにはどうしたらよいだろうか。

腰壁を貼り交換を容易に
 まずフローリングのひっかき傷を防ぐことが必要だ。犬は歩くだけで床にキズを付けてしまう。そこで前述の「T・Fハイツ磯子」(神奈川県横浜市)では、ペット対応の床材を設置している。これは爪とぎや犬の歩行でもキズが付きにくく表面加工が施されているものだ。
 ほかにも傷つきやすいものとしてクロスがあげられる。壁は猫の爪とぎの格好の標的になりやすく、何の対処もしていないと、表面だけでなく、下地ボードまで達してしまうこともある。クロスの張り替えだけで済むならまだましといえる。対策としてあるのが、腰壁だ。床面から約1mの幅で腰板を貼り、キズついたら張替えることができるものだ。
 また、汚れたら、洗浄によって新品同様に戻せるものも販売されている。
 このような商品をうまく利用して、キズの付きにくいハードづくりが必要だといえよう。

真の審査員は飼い犬だった
 飼育者の選別も大きなカギになる。いいかげんな人を入れたら最後、ペットの散歩にも行かず、室内は尿とふんでぐちゃぐちゃということも充分あり得るからだ。
 しかし、いくら書面で確認したとしても、それが本当に守られるかは分からない。そこで福岡県福岡市で約270戸のペット可物件を扱うK社では、一風変わった入居審査をしている。
 「入居申込があった場合、その人が今住んでいるところまでいって、部屋の中を見せてもらいます。そうすればきれいに住んでもらえるかどうかすぐ分かるからです」(ペット事業部営業課長)
 自分の家の中ではリラックスして普段の姿が現れるもの。よってきたペットを足で追いやるような仕草があったら、ペットの世話もぞんざいになる危険性も高いのだという。
 「日本人特有なのかもしれませんが、まだまだ飼育者の方に責任感が足りないことの方が多いと思います。きちんと”しつけ”をして世話をしているかどうかを見究めることが一番重要といえるでしょう」(同氏)

入居者の生活スタイルを見る
 これと同様に考えているのがM社(埼玉県越谷市)だ。同社は入居審査を厳密に行っていることで有名だ、契約書には50以上の項目があり、「しつけ」がどのくらいできているかを細かくチェックするようになっている。
 加えて入居者の生活スタイルもチェックする。「例えば一人暮らしのサラリーマンの場合、朝出て、夜遅くまで帰ってきません。そうしたら散歩は無理と考えた方がいいわけです」(同社長)。このように飼主の仕事、生活スタイルもチェックすべきポイントになる。
 また同社では人間ではなく犬にもペットの面接をしている。
 入居審査の時にペットと飼主に来店してもらう。その際に合否判定のカギを握るのが、実は同社専務が飼っているラブラドールレトリバーだ。これで見知らぬ犬と対面させて時にどのような態度をとるか見るのだという。

入居後も入居者との連絡を取る方法を作ることが大切
 さて、いざ入居者が決まったら、そこで終わりというわけではない。現実はその後、どれくらい入居者との関係を保っていくかが重要になった来る。
 この点については業者の意見も様々あるようだ。前述のK社(福岡県福岡市)では、必ず1年に1回室内の立入点検を義務づけている。
 「審査の段階で入居希望者の部屋の中を見せてもらっていますが、ペットの成長によって状況は変わってきます。1年後も大丈夫とは言えませんので1年に1回必ず室内を見せてもらってます」(同課長)
 一方、そうは言っても……という声も多い。そこで、さりげなく状況を調べられる関係づくりを行っているのが、前述のM社(埼玉県越谷市)だ。
 同社では、入居者に向けて脱臭剤の配布をしている。特殊なオゾン脱臭器なので、一般的な販売店では取り扱っていない。3ヶ月に1度、その使用状況を点検する時に室内をさりげなくチェックしているのだ。
 「室内に入れられないというようなら何か起きている可能性もあります。動物の成長段階を把握することで、気を付けて欲しいことを事前にいうこともできるわけです。」
 空室対策・付加価値アップにペット可は有効な手段であることは確かだ。リスクが多く難しいといわれるが、しっかりとしたリスクヘッジをすれば高収益で安定した入居を維持できると言える。これらの成功例を参考にさらによい方法を検討して欲しい。
(全国賃貸住宅新聞2001.11.19より抜粋)


 上記の様に、年々とペットと一緒に暮らせる住宅を探しに来られる方が増加しています。
 現在の状況を申し上げますとペット可物件は全体の1割も無い状態です。しかし、ニーズの高まりとともにエリアによっては増加しているところもあります。駅から遠い、築年数が15年以上のもの、この様なものが対象となりしかも満室に近い状態です。
 今までは、入居率を高める為に、駅近くや築浅に比べぐっと値段を下げて空室を縮める努力をしておりましたが、それでも尚、空室状態が続いておりました。しかし、今現在においては、新築の分譲・賃貸などもペット可物件が多く見られる様になってきました。新しいマーケット時代に入ってきたのだと思います。
 私供も、現在の空室を埋める努力と、勉強をして参りますので、各オーナー様に於かれましても是非ご協力をお願い申し上げます。

また、最後に今年一年皆様方には大変お世話になりました。来年も宜しくお願い申し上げます。

2001年12月吉日

動物を飼うことはアニマル・セラピーと呼ばれる癒しの効果があるとも言われています。
■動物が人にもたらす3つの効果

●社会性の改善
 動物による話題提供、会話の促進をする「社会的潤滑油効果」犬を連れて散歩をしていると、
いない時より会話が増える。家族との共通の話題が増えた。
●精神的作用
 動物は人々に対して自尊心、責任感、必要とされている気持ち、自立心や安堵感、
笑いや楽しみをもたらし、ストレスや孤独感を癒すというストレスの緩和作用がある。
●生理的・身体機能的作用
 人が動物に対しての働きかけをしようとする意欲から、日常の運動や動作が多くなり、
動物に対する話しかけにより発語が増える。




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