手数料完全自由化へいよいよ動き出すときか?
仲介手数料減額で広がる波紋
(大手仲介業者が今は0.5ヶ月分)

 1月より賃貸仲介で最大手のエイブル(東京都港区)が借主からの仲介手数料を一律0.5カ月分に変更したことで、市場にはさまざまな波紋が広がっているようだ。同様に借主0.5カ月とした業者はおろか、全額無料に踏み切るケースも現れた。


1月から全店舗で手数料半額実施
 年明けから仲介料の減額を打ち出し、"2分の1"を始めているのは京都市内に19店舗を持つ最大手、Tホームだ。同社長が語る。
 「営業開始日の1月6日から4月20日まで期間限定ということで、すべての仲介物件で、入居者からいただく手数料を家賃半月分としました。キッカケはやはりエイブルが半額を打ち出したことですがとにかく今年は100%満室を目指そうということで踏み切りました。」
 同社は年間で約1万2000戸を仲介している。このうち専任が4割、自社管理物件が2割を占める。オーナーの6割にはすでに手数料負担の承諾は得ている。さらに、自社管理物件については2月から入居者の仲介料はゼロにする計画だという。
 ここまで踏み切った理由は市場の占有率にある。
 同社のある京都市ではエイブル、ニッショー、京都ライフ、長栄ホームの4社が合計70店舗にのぼる仲介店舗を出店し、市場シェアの6割近くを握っているという。年明けからこれら大手がほぼ一斉に仲介料の減額を打ち出したため、0.5カ月分が"常識"になりつつあるのだ。「このような状況では従来通り1カ月分で他社との集客力に差がついてしまいます。そこで19店舗すべてで全物件を対象に0.5カ月での客付けを始めました。期間限定ということでオーナーには承諾をいただいておりますが、4月20日以降はオーナーの意向に従って自由化にしていくつもりです」(同氏)

競合他社のない市場では必要ない
 このように積極的に仲介料減額に踏み切る企業がある一方、全く考えていないという業者もある。
 年間約2300件の仲介をしているT社(石川県金沢市)の同社長は手数料変更については全く考えていないと語る。今のところ、減額するという業者が周囲に一店も見あたらず必要性がないからだというが、オーナー負担という考え方が金沢の市場に受けいられにくいこともある。
 「地方都市ほど独特の商習慣が根強く残っています。オーナーとのつながりを重視する必要があるので家主負担にはできません」(同氏)
 仲介料2分の1を打ち出す業者の多くは、減額サービスによる集客増をねらっているようだが、その効果自体に疑問を感じている業者も少なくない。
 「当社の近くにはエイブルなど仲介料2分の1に踏み切った会社がありますが、今のところ大きな影響は感じていません。少なくとも今のところ2分の1にすることは考えていません」(Sハウジング社長)
 中小企業の場合、減額のメリットが生じにくいという考え方もある。
 名古屋市内で年間460戸を仲介しているS社社長が言う。
 「2分の1にして集客増に結びつくというのは、かなり規模の大きな業者の場合に限定されるのではないでしょうか。そう考えて、現状ではオーナーさんに対する働きかけも特になにもしていません」(同氏)

オーナーに厳しいが半額化は大きな流れ
 とはいえ、今実施を予定していない多くの企業経営者も、将来的な減額の可能性は否定できず、準備を進めています。
 約3000戸を管理するA社(広島県福山市)でも仲介手数料0.5カ月を実行していこうと検討中だ。
 同社が事業展開している福山市は、人工38万人、県内で2番目の人工を誇る地域とあって、広島市に本社を置く企業が多く進出してきている地域である。ただ、全国ベースで低迷を続ける賃貸住宅市場の例に漏れず、福山市も一昨年と比較して約1割の企業が市内から撤退した影響から、物件の供給が過剰傾向にある。
 こうした市況を背景に同社長は「すでに時代はこれまでのオーナー主体から借主主体へと変わっている」と話す。
 「手数料に関しても、半額分をオーナー負担してもらうことは、今後避けては通れないことだろう」(同氏)
 今年1月には、オーナー約100人を集めたパーティの席上でその主旨を発表したという。すぐに理解が得られると考えてはいないが、意識改革のキッカケにはなるのではと見ている。
 「いずれ仲介手数料半額になる流れを無視することはできません。オーナーさんにとって半額負担となるのは厳しい選択となるかもしれませんが、市場の流れを把握して対応していくことが必要になるでしょう」(同氏)
 これまで入居者からもらう仲介手数料は1カ月分が当然のようにされてきたが、元来は、入居者、家主の双方から合計1カ月分もらうのがルールだ。その意味では今回の2分の1化の動きはある意味で当然のことといえよう。
 証券など金融市場ではすでに本格化している手数料自由化の流れが、いよいよ賃貸仲介市場にも到来したようだ。
(全国賃貸住宅新聞より抜粋)



 上記に書かれているように、今後、手数料の自由化により、お客様の部屋選びの条件も変わってくることと思います。
 今のところ一般のお客様からは、ほとんど手数料0.5カ月分の条件を出されたことはありませんが、今春の2月3月の法人移動のやりとりの中で、大手法人の一部がこの条件を掲示してきました。やはり、経費削減の点から言えば、今後、このケースは増えてくると思います。
 今までは、お客様に賃料の1カ月分の手数料負担していただくことが商習慣として定着していましたが、最近はインターネットを通じての情報の伝播が非常に早くなっており、個人のお客様が手数料に関して交渉をするケースも増えてくると思います。
 礼金の交渉の時もそうでしたが、これでどこかのテレビレポーターが得意気に「入居者に手数料を1カ月分払わせるなんて許せない」なんてことを言い出したら、それこそ一気に広がってしまうでしょう。
 また、大手不動産業者の手数料に対する対応によって、その地域の商習慣に影響がでますので、今後、各オーナーにもご理解とご協力をいただかざるを得ない事も出てくると思います。
 但し、物件の質によっても変わってきます。(現に新築は今でも礼金2カ月がほとんどです。)要は入居者に「1カ月分の手数料や礼金を払ってでも入居したい」と思わせればいいわけです。
 そのためには、日々の管理の徹底・入れ替えの際の入居者のニーズにあったリフォーム、外壁等の定期的なメンテナンス等の他物件より上質なサービスが必要となりますので、その点についてはお気軽にご質問ください。
 私共も、仲介業者として仲介手数料をいただく際、1カ月分の手数料が高いとは思われないように、むしろ安いと思われるようにサービスの向上を目指していきたいと思います。



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