仲介現場から「アパート経営」一言アドバイス

 現在の入居者最新ニーズは、バス・トイレ別、フローリング、ガスキッチン・・・etcと言われるが、はたしてそれだけだろうか。 今回の特集は毎日ユーザーを物件に案内、部屋探しのアドバイスを行う仲介現場から担当者達が本当に顧客が求めているものについてあらゆる角度から語ってもらった。これから物件を建てる人、 リフォームを検討しているオーナーは是非ご参考にしてほしい話ばかりだ。


リフォーム後1週間で満室に成功
〜和室6帖から洋室8帖へ大変身〜

 建てられたのは約20年前。老朽化が進み6戸中半分が半年以上空いていたが、リフォームに成功したのは「アンジェルT」だ。
 場所は福岡県福岡市。もともとは「愛光荘」という木造2階建てのアパートだった。新築当時は福岡大学の学生が絶えなかったが、20年も経てばニーズも変わる。玄関を入るとすぐに台所が丸見えで、ガラス戸に仕切られ和室6帖の居室があるという間取りはもはや今の学生が求めるものとは違っていた。バランス釜も人気がなかった。賃料は水道料・共益費を入れても3万2000円だったが、それでも人が来ない。
 立て直すにはコストがかかりすぎてしまい、出来なかった。そこで1戸あたり200万円をかけて前面リフォームを実施。余分なスペースを減らして洋室8帖の部屋をつくった。残りはシャワー付きのバスと洗面所、洋式トイレに変更。キッチンは仕切を付けて、玄関からは見えないようにした。これで客付けをしたところ、募集開始後1週間以内に全戸成約したという。
 この物件を仲介しているのD社(福岡県福岡市)は語る「今は外観も内装もとても綺麗ですので、賃料を8000円高く設置しても内見した順にあっという間に成約しました」

「和室6帖を洋室8帖へリフォーム」
 最近のニーズでは洋室の居室を広くすること、台所・水回りを独立させて、プライバシーを守れるつくりにすることが求められています。
 「アンジェルT」は築20年も経っていながらリフォームが成功し、1週間で満室になりました。
 もともとは和室6帖での1Kタイプでしたが、半年以上も空いていることから前面リフォームすることになりました。
 1戸あたり200万円のコストでフローリング8帖と風呂・トイレ別にしました。(同社)


ただ広めの2LDKタイプではない女性のニーズに対応。
〜キッチン設備の充実は常識〜

 東京都調布市に所在する「メゾン・リブェール」は全体的な分譲使用のグレードの高さがユーザーの気持ちを引きつけている。空室期間を1カ月と空けない物件だ。
 実際に8月初め、同社に来店した夫婦も4件内見したうち同物件の設備、外観などのグレードの高さに入居を決めたという。中でも婦人が内見時に気に入った点は間取りだった。
 2LDKタイプで洋室6帖と5.8帖、LDKが10.5帖(専有面積56u)あるのだが、リビングへと続く高級システムキッチンが、通常よくみられるLDKの隅に付け加えている台所でないのが気に入ったのだという。
 「婦人の方は部屋をみる時、特にキッチンなどの使いやすさを考えるようです。台所が独立したスペースにあるため喜ばれていました。」 と、T社(東京都狛江市)調布店の担当者は語る。
 同物件は築3年、鉄筋コンクリート造、地上3階建て全12戸で、賃料11万8000円から。
 東京都世田谷区に所在する「アイワビル」も他に類をみない1LDKの間取りが内見者を引きつけている。現在満室稼働中だが、つい最近の例でいうと今年の5月に入居した男性は3件ほどの建物を回った後に「広い間取りの部屋に住みたいので、1LDKの物件にします」と言ったという。
 同物件は5年前までは2Kタイプの間取りで台所の板の間4.5帖、和室4.5帖同じく和室4.5帖の部屋であったのだが、5年ほど前に管理会社であるU社(東京都世田谷区)の提案で退去者が出るたびにLDKを10帖洋室を6帖にし、一部屋200万円ほどかけて内装を全改修した。
 その結果リフォーム後、、空き期間、1カ月を空けない人気物件になったという。
 「1LDKタイプは市場にあまりないため、内見された方は広い間取りにひかれるようです。そのため、この物件は築20年になりますが、満室稼働中です」(同社)

「一人暮らしでも広い間取りに」
 仲介をする立場から言わせていただければ設備投資に多額の金額を使う必要はないのでいつも室内をキレイにし、極力、市況に合わせることで人は入ると思います。
 「アイワビル」も現在の市況に合わせた間取りなどで成功しました。1LDKの部屋は他にあまりないため好評です。特にこの物件は5階建てでエレベーターがないものですから、お年を召した方は入らないだろうと考えた上で、5年前にこちらで若い人好みのリフォーム案を提示させていただいたのです。改装後、内見者の受けもよく大家さんも承諾してくれたので順次1LDKに変えてゆこうと考えています。(U社)


ほぼ同じ賃料・立地の2物件の差は1つだけ
 防火面の安全性から、一時期注目を浴びた電気コンロ。設置するにあたってガス式よりも比較的安価であることから、所有物件を電気式にしているオーナーも多いのではないだろうか。ここ1〜2年、ユーザーニーズは圧倒的に「電気よりもガス」と、仲介の現場ではささやかれているが、この傾向がはっきりと照明される出来事が起こった。
 「新築で電気式の物件と、築3年になるガス式の物件の客付けを今年行ったのですが、ガス式のものから順に成約へ至るという現象を目のあたりにしました」
 こう話すのは千葉、神奈川、東京で、現在5000戸を管理するA社(本社、神奈川県横浜市)の千葉支店で2期にわたり社内仲介件数トップを記録したS氏だ。
 電気式のものは、新築鉄筋コンクリート造7階建て、JR鎌取駅から徒歩2分の「芝コーポ三号館」。単身者向け全100室で、片方は、築3年になる同じく鉄筋コンクリート造3階建てで、単身者向け全41室の「芝コーポ弐番館」。こちらは同駅から徒歩6分の場所にあった。
 このエリアで単身者向けを探していたユーザーは、両物件が歩いて5分程度の距離と、離れていないことから、双方の内見を行ったのだが、新築よりも築3年になるものから埋まっていったという。
 現在は両物件とも満室稼働中であるが、こうしたお客の動きを目のあたりにした同氏は、「これが築10年を超えてくると入居率に差が生じてくるのでは」と話す。

「設備はニーズに的確に対応したものを」
 両物件の客付けをしてみて感じたことは、的確にユーザーニーズに対応した設備の取り付けを行わないと先が怖いということです。
 現在、両物件とも満室で稼働していますが、客付け開始当初のユーザーの動きは、確実に「現時点」でのニーズが、ガス式にあることを証明しています。厳しい見方をすれば、電気式物件が現在満室で稼働しているのは「新築であるから」ともいえます。
 長期的に考えて、設備面では何が生活上便利かと考えることが重要ではないでしょうか。(A社)
(全国賃貸住宅新聞より抜粋)



 既にリフォームや外観に工夫を凝らしたオーナー様も多くなっている中、今回はお客様と歩く仲介現場の声を取り寄せてみました。
 車で動くことの多いお客様には、やはり、外観が目に入り興味があれば問い合わせをする。内見の際にはエントランスに入るときやパーキングからみる外観等にこだわる方も増えております。
 自分のスタイルを持っている方が増え、室内に入る前からいろんな事を求めてきます。また、室内に入ると自分のスタイルに合う間取りはもちろん、諸設備へのこだわり、要望も増えています。
 新築物件は、それだけで決まるといったこともありますが、値段だけでなく設備やリフォーム術で対向するのも一つの手ではないでしょうか。
 今年8月号にも外壁のメンテナンスをご紹介させていただきましたが、入居者の入れ替え時など少しずつ目を向けてみてください。
 また、お気軽に当社窓口にお声を掛けてください。
 社員一同、オーナー様と共にお客様の声に近づけるよう、ご提案していきたいと思います。



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