賃貸住宅・セキュリティ対策

ピッキング被害増で錠前に注目が

防犯対策により安心感を与えることで入居促進の一助に

 犯罪が増加することでセキュリティへの関心が高まってきている。入居者個人の所有物ではない賃貸住宅だからこそ管理会社やオーナーの入居者に対する安全面への配慮が必要となってくる。
 各メーカーでは賃貸住宅向けに安価で利便性の良い商品を次々にうちだしている。今回は、物件の価値を高め入居者の生活を守る様々な商品を紹介していく。


安心な物件を求める入居者
 凶悪犯罪が増え、日本も決して安全とはいえない世の中になってきた。日々、マスコミで様々な犯罪や事件が取り上げられ、防犯対策に対する人々の関心も高まってきている。入居条件として安全性の高い物件かどうかが物件選びの重要なポイントとなる時代になっているのではないだろうか。
 一昔前までは、賃貸住宅ではまだまだ付加価値の一つでしかないと思われていた様な製品でも、採用される物件が多くなってくると、常識の設備となる。賃貸とはいえ、契約した以上入居者にとっては、自分の家という意識が生まれる。少しでも不安を感じさせるような物件では入居者も寄りつかなくなってしまうだろう。

ドアを開けずに来訪者を確認
 オートロックも常識となりつつある設備の一つ。共用の玄関で、建物に出入りできる人を選別することでより危険性を排除し、入居者に安心感を与えることができる。いまや新築マンションでは欠かすことの出来ない設備だが、既存の物件でオートロックシステムを組み込むにはかなりの費用がかかってしまう。コスト面で導入するか否か悩んでいるオーナーは多いという。
 オートロックシステムで有線式の3割安という低価格を実現したのがサンシャイン(東京都文京区)だ。同システムは、無線式で、来訪者に対する各部屋からの応対にはPHSを使用するというもの。無線式なので大がかりな工事が一切必要ないのがコストダウンの一因だという。
 共同玄関がなく、オートロックシステムの必要性のないタイプのアパートで、より防犯面をアピールするならば、テレビ付きドアホンが選択肢の一つになるだろう。価格も4万円台〜と安価になってきたため普及率が非常に高いようだ。新築物件でも標準仕様として取り入れる住宅メーカーもでてきている。
 アイホン(愛知県名古屋市)では、賃貸住宅での急速な普及率に着目し、昨年11月より賃貸住宅に4万8000円という安価で、シンプルな機能のタイプを販売しており、好調だという。同社の主力商品は「アイカラーチルト」。チルトボタンを上げ下げすることで画面が上下に移動する。背の高い人から、小さな子供までキャッチすることが出来るのが特徴だ。
 これらに加えて監視カメラやセキュリティシステムを導入すれば、より、明確に入居者に安全管理をアピールすることができる。

錠前業界に変化の兆し
 しかし、最終的、直接的に入居者を守ることができるのは、錠前だ。特殊な道具を鍵穴に差し込み、破錠するピッキング被害の増加は社会問題として取り上げられることも多い。
 「ピッキングはもともと鍵屋の技術です。60年代から既にメーカーは対ピッキングの質の良い製品を作っていたにもかかわらず、安全に慣れた日本では、従来の物から移行できず、対処が遅れたのです。今こそ、その移行にふさわしい時でしょう。」(犯罪アドバイザー 稲田氏)
 業界最大手の美和ロック(東京都港区)は、ピッキングで狙われやすかった「ディスクシリンダー」の改良型を製造し、旧来型の廃止を決めた。同製品が狙われたのは、公団で採用された事による圧倒的な普及率とゴミやほこり、潮風に強く、壊れにくい為、交換需要がなかなか生じなかったことが一因になったといわれている。耐久性と使い勝手がよいので要望が強く、改良型で対応することとなったが、将来的には生産を中止していく予定だという。現在、安全性の高いタイプの「U9」への交換を推進している。
 この美和ロックの決定で、錠前業界にも異変が起きそうだ。同社製品の交換需要に対応して、各錠前メーカーも、営業を強化してきているようだ。
 ピッキングに強く、安全性が高いことを全面に打ち出す鍵屋リンクス(千葉県成田市)の「マルティロック」はイスラエル製の対テロリズムにつくられた製品だ。現在、全国で81店舗の取扱店で販売しているが、店舗数が著しく伸びている。通常メーカー本体が対応するマスター・逆マスターなどのシステムを各取扱店が組むので、トラブルの対応に迅速に対応することができるのが特徴だ。

カードキーで便利さを追求
 賃貸住宅で依然として人気が高いのはカードキーやテンキーシステム。オーナーや管理会社にとっては、鍵交換の手間がかからないことが、入居者にとってはキーレスであることやかさばらないことが人気の秘訣のようだ。
 賃貸住宅向けにカードキーをメインとして販売しているのは計電算業(東京都豊島区)。キーの部分に好みのデザインを入れることができるのも魅力の一つになっているようだ。
 新しくカードキー「シャーロック」の販売を始めたのはスターツアメニティ(東京都江戸川区)だ。カードの心臓部は、有名ホテルでも数多く採用されているヴィングカードシステムのものを採用しているため安全性も高いという。カードは内蔵カードと対になっているため鍵違いが約43億通りもあり、複製が困難となっている。物件ごと、エリアごとなどオーナー・管理会社の都合にあわせて管理者用キー1枚で各戸の管理が可能。空室案内時も1枚のカードで済む。また、カギ交換が容易なのも特徴だ。内蔵カードを交換し、対になった新しいカードキーを入居者に渡すだけで交換が完了する。
 同レベルの物件があったときセキュリティー面が充実している物件とそうでない物件とがあれば、入居者がどちらを選ぶかは明白だ。内装やデザイン、付加価値設備の充実度はもちろん重要だが、防犯対策がなされているかどうかは、入居者自身の生活に関わってくることだ。入居者が自分の持ち家のように賃貸住宅に住まうとき、生活環境も視野に入れることとなるだろう。近い将来セキュリティは付加価値ではなく、なくてはならないものになるだろう。

防犯アドバイス
 建物を作る際に求められるのは、快適な空間であることです。この快適な空間を作るのに重要視すべき事は、居住性・コスト・デザイン・セキュリティの4点です。しかし、この中で、セキュリティだけが省かれてしまうことが多いようです。
 日本のピッキング被害は平成7年頃から増え始めました。泥棒の技術や知恵が上昇してきたのと同時に、犯罪のボーダーレス化を考慮すると、もはやセキュリティに対して昔と同じ概念では危険です。この機会に日本もセキュリティのレベルアップをはかるべきです。入居者に対し安全を約束するということは、オーナーや管理会社の責任であり、もはや義務なのです。
 マンション・住宅を狙う泥棒は侵入しやすい物件を選びます。不謹慎かもしれないのですが、隣近所よりも、より丈夫なカギ、安全性が高まる設備をつければ、泥棒は隣の物件に行ってしまうのです。
 最近は金品だけではなく、生命の危険にまで及ぶような事件も起きています。入居者の安全を守る、守らないはオーナーの決断次第です。
防犯アドバイザー 稲田氏
(全国賃貸住宅新聞より抜粋)


 最近の住宅侵入事件は強引にこじ開けるより、古いカギが利用されるケースやピッキングによるケースが多くなっています。
 入居者が作った合い鍵が第三者の手に渡り侵入されるケースの場合、カギ交換さえすれば安心ということになりますが、ピッキングの場合は、ただ交換するというのではなく、安全性の高いカギに交換しなければ意味がありません。
 全国では毎年約12万件の住宅侵入事件が発生しており、旧来のカギでは簡単に開けられてしまうというのが現状です。
 また、テレビドアホンを設置することにより、単身の女性やお子さんのいる家庭等の安心感を高め、物件の価値を高めることとなります。
 千葉市内でもカギを開けられる事件が多発しており、身近なところも安全だとは言い切れなくなっております。盗難事故や事件が起きてからではなく、起きる前のご検討を皆様にお願いいたします。



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