賃貸住宅なんでもホットライン

原状回復の相談件数は
全体の4分の1を占めるほどに


 生活消費者センターに寄せられる賃貸住宅におけるトラブルは年々増加傾向にある。去る9月20日〜22日の3日間、日本賃貸住宅管理業協会(略 日管協)は、「賃貸住宅なんでもホットライン」と題して、電話による無料相談を行った。今年で5回目になる電話相談は、家主や入居者から、560件もの相談があり、居住者からの問い合わせが多い。その中の本年のトラブルの傾向をさぐりたい。

 「賃貸住宅なんでもホットライン」の期間中は、全国6カ所(北海道・東京・関西・四国・九州・沖縄)に専用電話が設置され、弁護士を中心に約80名が相談にあたった。
 平成11年度の、入居者・オーナーから寄せられた相談件数は560件に上り、昨年の375件から比べると185件の増加である。560件には、入居者からの問い合わせが439件、家主121件となっている。
 これは無料電話相談が行われているという認知度が高まっているという、一方、トラブルの発生が多く特に借り主側の相談先が少ないということも推測できる。
 中でも、もっとも問い合わせが多い項目別に見ると
1.原状回復(143件)
2.修繕義務(68件)
3.解約申し入れ・更新拒絶(62件)
4.家賃(増減)(48件)
5.家賃(滞納)(45件)

である。

 原状回復については、例年と同様に最多で全体の4分の1を占めている。特に今年、問い合わせが集中したのは9月14日に「はなまるマーケット」(TBS系)という朝の番組で、告知が行われたのも影響している。
 今回の場合は、昨年と比べると、相談内容も異なり滞納や契約に関するものが増加しているのも特徴的な点である。
 平成10年と比べ、増加が激しい項目は以下の通りだ。
1.原状回復(+8.2%)
2.管理業務(債務不履行等)(+2.5%)
3.賃貸人変更(+1.8%)
4.解約申し入れ・更新拒絶(+1.5%)
5.家賃(滞納)(+1.3%)


 原状回復とは、入居者が契約終了時に、借りていた部屋等を原状に復さなければならないことをいい、原則として故意に傷つけた場合であれば、入居者負担になるが、経年変化等は、借り主側の全額負担にはならないものである。
 にも関わらず相談事例の中には、敷金返済に関わるトラブル、リフォーム費の詳細、金額がわからない、負担がすべて借り主側になってしまっているというケースが多い。
 どこまでが入居者が負担し、どこまでが家主負担なのかという、ボーダーラインを判断するのは、入居してから退去するまで月日がたってしまうため、困難なケースも多々ある。
 修繕については、入居者の故意、過失による故障ではない限り原則としてオーナー側に修繕義務があるという。特に相談には、水漏れやカビが発生するといったケースが目立った。
 愛知県名古屋市に住む27歳女性の場合は、入居して3年目になって風呂のシャワーがこわれてしまった。
 10年以上交換していないらしく、大家が修理すべきだと思うが、大家さんからは費用を負担するように言われ、納得がいかない。云々…。

 原状回復から、一般契約まで、様々な相談があるが、相談内容を見ると入居する前の契約書の詳細を徹底的に説明し、更に支払い面においての責任の区分をもっと確実に説明することも重要なようだ。
 再度、契約全般管理の見直しと入居者・不動産会社、オーナーの3者がトラブルを起きないように事前に対処する努力が必要になってくるだろう。
(全国賃貸住宅新聞より抜粋)



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