介護保険導入・高齢者対応賃貸住宅


新法施行で高齢者賃貸住宅事業が活発化
 介護保険の施行を目前に控え介護サービスが活発化している。従来の福祉施設に加え、民間企業による高齢者向け住宅事業とも連携し高齢者のニーズに応じた良質なサービスが提供されつつある。高齢化社会を支える上で重要な生活基盤となる賃貸住宅の担う役割に焦点を当て、設備使用や施設運営などを取り上げる。

遊休施設の転用が増加傾向
 高齢化社会を迎え、介護の場として住宅の機能強化が求められている。特に住宅のバリアフリー化は最重要課題で、高齢者の居住の受け皿として期待される賃貸住宅においても、積極的にバリアフリー化を図ることが必要とされている。
 また今後、高齢者が必要な生活支援サービスを受けながら賃貸住宅に居住することが多くなることから、既存の老人ホームやケアハウスなどの施設と賃貸住宅との垣根もなくなっていくことが予想される。このため福祉や医療との連携を図りながら、高齢者のニーズに応じて良質な生活支援サービスを享受できる賃貸住宅の供給促進が不可欠だ。
 現状では民間賃貸住宅の家主の大部分は個人であり、経営上の不安から高齢者に対応できない傾向にある。しかし4月の介護保険導入で、介護関連企業はもとより不動産・管理会社など住宅関連業者の高齢者対応事業は、今後活発化すると思われる。既存の賃貸住宅や寮・社宅を高齢者向け施設に転用する傾向も高まりつつある。
 企業の社宅政策の大転換によって既設の寮や社宅がまとめて解約になるなど、大打撃を受けたオーナーは多い。こうして遊休化した物件が高齢者向けに改装され老人ホームの新しい形態として運営されている。これまでの施設の場合、入居時の費用が数千万円単位でかかることが少なくないが、社宅を改装して施設とするケースでは、格段に安い費用で入居できる。「リニューアル費用を抑えることが、入居時のコストを下げるポイント」(S社)というように、改装型施設でも保証金や賃料に差がある。
 遊休物件を高齢者向け住宅として転用するケースは、今後も増える見込みで、空室対策をふまえた建物活用の大きな流れになると見られる。

高優賃仕様設備が民間でも主流に
 少子高齢化社会に向け、絶対数が増えていく高齢者住宅確保には、民間企業の参入も必要不可欠となってくる。
 建設省が定める高齢者優良賃貸住宅制度(高優賃)の設定基準ではバリアフリー及び緊急時対応サービスを義務づけている。この流れから民間主導の高齢者用住宅でも、同設定基準に即した節備仕様になっていくと見られる。
 住宅部分では@宅内の床は、原則として段差のない構造A階段、浴室、玄関、便所には手すりを設置、廊下等には手すりの設置または設備準備B通路、出入口は介助用車椅子の仕様に配慮した幅員(通路78p以上、出入口75p以上)C階段の勾配、形状等の安全上の配慮D便所、浴室は介助可能な広さを確保することが、共用部分では@主要な団地内道路、住棟出入口は、歩行及び車椅子での移動の安全性及び利便性に配慮した構造A階段、共用廊下等には手すりを設置Bエレベーターの間口幅は80p以上であることが基準となっている。
 N社(千葉市)ではすでに高優賃仕様の物件「ガーデンコート東金」を千葉県東金市に建設中で、5月からの入居を予定しているという。通常の賃貸住宅と全く変わらない方式で募集を行っていく。
 B社(文京区)では、医療法人から依頼を受け、4月より渋谷区の賃貸マンションの高齢者向けリフォームを手がける。今後はこういった例も増加していくであろう。

消火システムや健康相談とも連動
 必要条件である緊急通報システムは、様々なサービスとの組み合わせがあるものが販売されている。
 A社(豊島区)ではアイホン(名古屋市)と提携し、通報装置付自動消火システムを発売している。
 同システムは、火災発生時の初期消火装置「ケスジャン」と、ユニット本体・トイレコール・バスコール・寝室コールから成る自動通報装置の組み合わせ。
 セットで購入することで、高齢者対応設備設置工事の対象となり、住宅金融公庫からの追加融資を受けることが出来る。新築で、106万円の割増融資、リフォームでは、造・改築で1000万円、修繕等で500万円までの増額融資が上限となっている。
 新築、改装からバリアフリーリフォームまで、高齢者の増加にあわせて高齢者住宅の需要も増していく。
 高齢者だからといって必ずしも介護を連想する必要はないが、ターゲット層の身体機能にあわせた設備が必要となってくる。高齢者設備を扱う各社は、これから大きなビジネスと成長していく高齢者の市場によりくい込んでいくために、様々なサービスや工夫を凝らしている。(全国賃貸住宅新聞より抜粋)


 少子高齢化社会に向け、高齢者の方へ対応できる住宅として上記にも紹介されましたが、N社(千葉市)では銀行の社員寮を改装したデイケア施設や社宅を改装したケア付高齢者賃貸住宅などの運営・管理を行うなどすでに事業展開しています。
 今は高齢者に対して、健康面・経済面の不安から入居を避ける方もいますが、今後需要の増大が確実と言われる、高齢者向け住宅をリフォームの補助、差額家賃の補助など、サービスを活用して新たな賃貸経営としての可能性も大きいのでじゃないでしょうか。



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