付加価値付人気物件


 全国どのエリアでも入居者の希望家賃は年々下がっているといわれいる。景気の低迷の影響をまともに受けているという訳だが、一方で、賃料を高くしても満室稼動している物件がある。必ずしも生活に必要な付加価値ではないが、より快適な生活を求めるために引っ越しを行うユーザーもいるほどの人気のある物件とはどういうものか見てみたい。

遊びの部分を取り入れたゆとりの空間
 1000円でも安い部屋を希望するという来店者が、増えてきた一方、相場よりも5000円〜1万円も高い賃料設定でも、常時満室の物件がある。
 2mのロフト、本格派ジャグジー、移動式収納庫など遊びの部分を持たせた付加価値が何事にも人と違う個性を求める若者の心をくすぐるようだ。
 東京都世田谷区にある「パティオ自由が丘」は、その物件名があらわすとおり、パティオ(中庭)が売り物だ。賃料は12〜16万円と相場より高めだが、3カ月で、全12戸埋まったという。
 この物件を管理しているD社(目黒区)の課長は「賃料が若干高めなので、最初は客付けできるか不安でしたが、パティオに対する需要はあったようです」と語る。
 部屋は、幅約4m、高さ10m程の立体型のパティオを囲むようにある。この中庭部分は吹き抜けになっており、太陽の光がさんさんと降り注がれる構造になっている。
 パティオの地面には御影石の石畳が敷かれて、ヨーロッパ的な雰囲気となっている。
 パティオの中央部は1m四方の土面が敷かれ、高さ6mにもなる沙羅双樹が植えられ、空間を演出している。
 他にも、鉄筋の芯柱を白く塗った柱が数本立ち、その柱はアーチ型に結ばれている。そのアーチ状の部分は薄いピンク色に塗装されており、柱の白とアーチのピンクのコントランスは、可愛らしく鮮やかだ。
 入居者は、全員25〜30歳の独身女性で、モデルや、文筆業等、個性を求められる職業の人が多いという。

天井高が自慢のロフト付物件
 相場より高めなのに入居者の8割は学生が占めているのは、PARKVIEW(東京都国立市)だ。ロフトが2mで天井も高い木造3階建てでJR南部線谷保駅徒歩4分の場所にたつものだ。
 「親からの仕送りと、アルバイトで裕福な学生が多いですね」と、M社(国立市)の社長は話す。
 学生の場合、友達を家に呼ぶことも多く、その際に、友達に自慢できるような人とは違う付加価値を求めるケースも多い。
 人と同じは嫌だという気持ちが住居選びに見事に表れているようだ。
 一時期、人気を呼んだロフトだが、ベッド部分の騒音が気になる、窮屈であるという理由で、敬遠がちだった。が、欠点をカバーして人気に更に火がついたという感じだ。部屋は、床から天井まで、4m30p、ロフト部分は2mと、立って歩いても頭がぶつかることなく余裕たっぷりだ。
 広さは37〜40uの1Kだ。今年3月の竣工に対して、昨年12月末から募集を始めたが、1月下旬には、全室の予約が埋まってしまった。賃料は、8万5000円と、相場より5000円程高いのだが、全く気にならない様子だという。

癒しの要素もこれからのポイント
 クレイハウス学芸大(目黒区)は、1997年に施工されて以来、全9戸が常に満室状態にも関わらず、雑誌「ブルータス」に掲載されてから、1日に300件の電話の対応に追われている。
 天然の杉板が正面の共同廊下の手摺、階段室のスクリーン、バルコニーの手摺、側面の外壁にふんだんに使われている。部屋に入ると、開口部は床から天井までガラス窓で、開放感あふれる作りになっている。
 鉄筋コンクリート造の平板ラーメン構造で、シンプルかつゆとりのある内部構造だ。
 「森林浴の効果を持つ杉材を多く、使っているということで、癒されるイメージが強いようです。やはり『癒し』もこれからのポイントではないでしょうか?」と語るのは、この物件を管理するMサービス(目黒区)の部長だ。
(全国賃貸住宅新聞より抜粋)



 当社でも1年位前になりますが、若い男性が就職が決まったので1LDKの部屋を借りたいと来店されました。希望の1LDKを紹介、内見したのですが、その広さと豪華さには当方でも驚くほどの物件でした。この物件はオーナーが遠方に住んでいて、時々、来たときに使用していたとのことでしたが、賃料も相場より当然にも10000円位は高めでした。本人は相当気に入り親族が猛反対したのですが、諦めませんでした。しかし、その内他で申し込みが入り、決まってしまいました。が、本人は諦めきれず数ヶ月後にお電話があり、「キャンセルになっていないか」「解約になっていないか」と2回程問い合わせがありました。
 これほど若者の心をくすぐる設備とゆとりのシステムキッチン・ジャグジー付の広い浴室・洋室10帖に広いクローゼットと片面に天井までの鏡張りの部屋には、賃料も気にならないということでしょうか。
 立地があまりよくないと思う物件やリフォームを考えている物件など、必ずしも必要不可欠な要素ではないが、特定のニーズに絞り込んでゆとりのある部屋をつくるのも入居者確保のための1つの方法ではないでしょうか。



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