本地域は第四紀層からなり、台地を構成する下総層群と関東ローム層、低地を構成する沖積層からなり、その層序は第1表のとおりである。 
第1表 層序
時代 層群 地層
第四期 沖積世 沖積層
洪積世 関東ローム層 立川ローム層
武蔵野ローム層
下末吉ローム層・常総層
下総層群 姉崎層
成田層 木下部層
上岩橋部層
清川部層
薮層・瀬又層
地蔵堂層
金剛地層

本地域内に見られる下総層群は、地蔵堂層より上位の地層であって、地蔵堂層及び瀬又層は図幅の東南端付近に、ほぼ北東−南西の走行、ゆるい北西傾斜で分布している。成田層は全域の台地を構成し、その上に関東ロ−ム層がのっている。姉崎層相当層は東京湾側と、鹿島川流域に分布している。
 沖積層は海岸低地及び、村田川・都川など河谷低地ならびに台地を刻むそれぞれの支谷沿いに分布している。



1、未固結堆積物


1−1 埋立地堆積物
 この堆積物は東京湾に面した、市原市・千葉市の帯状に伸びる埋立地を構成している。この堆積物は隣接の海底を構成していた砂またはシルト質、砂などからなり、比較的薄い沖積層の海底であった上に約10m近い厚さで埋積されている。標準貫入試験のN値で6〜9の値を示すものが多い。



1−2 泥がち堆積物
 泥がち堆積物は東京湾に面した海岸低地及び村田川・都川の河谷低地及び台地を切る支谷沿いに分布する。シルト及び粘土を主とし、N値5以下の地域が多く、軟弱地盤となっている。



1−3 砂がち堆積物
 海岸地域の砂丘・砂堆を構成し、また、千葉市の幕張町から松波町に続く海岸に面した台地上に分布する。低地においては、下位にある成田層に直接のり、台地上では関東ロ−ム層の上にのっている。細粒〜中流の砂から構成され、N値5〜10程度の値を示す。



1−4 泥1
 姉崎層及びこれに相当する地層で、市原市から千葉市南部の東京湾側に面した台地上、鹿島川沿いの台地上などに、関東ロ−ム層の下位、成田層の上位に存在し、3〜10mの厚さをもっている。泥を主とし、泥炭質泥・軽石質泥・礫まじり砂・植物片などから構成され、陸水環境における堆積物と推定される。



1−5 砂1
 成田層のうち、木下部層・上石橋部層に相当する地層で、細粒・中粒・粗粒砂からなり、粘土・礫などを挟むことがある。地層の厚さは10〜20m程度であり、この砂層中の貝化石が佐倉市岩富・千葉市谷当などに産出している。


1−6 砂2
 成田層の清川部層に相当する。砂及びシルトからなり、南部の市原市潤井戸・瀬又付近に分布する。



1−7 砂3
 藪層及び瀬又層と呼ばれる地層で、本地域では瀬又層の模式地の千葉市越智下新田を中心に北東〜南西に伸びて分布する。中粒〜粗粒の砂を主とし、基底付近で礫を混入することがある。越智下新田の堰付近、高倉など貝層を挟むことが多く、
Glycymeris yessoennsis, Glycymeris pilsbryi, Patinopecten to Kyoensis, Olyvelle japonicaを始め貝化石の産出が知られている。



1−8 砂4
 地蔵堂層に相当する細粒〜中粒の灰色砂を主とした地層である。本地域では東南東に関東ロ−ム層・成田層に覆われて分布している。



2、火山性岩石


2−1 ロ−ム1
 関東ロ−ム層のうち、立川ロ−ム層のみから構成されている部分で、村田川沿いの向井・永吉・番場・都川沿いの青柳・坂月・鹿島川沿いの内田・坂戸など低位段丘面の地域の表層を構成している。



2−2 ロ−ム2
 関東ロ−ム層のうち、立川ロ−ム層と武蔵野ロ−ム層から構成される地域である。武蔵野ロ−ム層の下其処近くにある東京軽石層が鍵層となる。東京湾側に面した検見川・稲毛・黒砂、都川沿いの都町・大宮町、村田川沿いの尾梨、鹿島川沿いの更科町・岩富付近など中位の段丘面の地域を構成している。
 この関東ロ−ム層と下位の姉崎層又は成田層との間に粘土層を主とした常総層が存在する。



2−3 ロ−ム3
 関東ロ−ム層として、立川ローム層・武蔵野ローム層・下末吉ローム層から構成されている地域で、高位の段丘面を形成している。東京湾に面した地域では標高約25m・東南では60mを超えた大地の表層に数mの厚さでのっている。



3、人工地層

 人工地層は、海岸付近に分布する砂丘・平野内陸の低湿地に多く分布する。海岸付近に分布する砂丘では、砂鉄を多く含むため砂鉄採取が昭和40年代まで行われていた。この時に砂丘を掘り砂鉄を砂から分取し、砂鉄を除いた砂を掘った穴へ埋め戻した。こうして砂鉄採取後には緩詰まりの砂層を主体とした人工地層が形成された。
 平野内陸のJR線の低湿地では、宅地としてかっての沼沢地や水田を泥質層や砂質層で盛土造成されている。東京湾岸の臨海部では、かつての干潟やこの沖合の水深7m付近までをこの沖合の浚渫砂で大規模に埋め立てている。この埋立では、予め埋め立てる海域を護岸堤で仕切り、サンドポンプによって沖合の浚渫砂をこの中に流入させ埋積させるサンドポンプ工法が広く行われた。このため、サンドポンプの吹き出し口に近い部分では砂が堆積し、ここから離れた埋立地の中心部では泥が堆積している。これら人工地層分布域では、1987年千葉県東方沖地震の際に、多くの場所で液状化−流動化が発生した。



(参考文献「千葉県の自然誌」財団法人千葉県史料研究財団編)